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コンパートメント症候群 治療≪看護とリハビリ≫


何らかの原因によって筋肉が圧迫され、筋の血流が阻害され続けると、
筋組織は不可逆性の壊死状態に陥り、コンパートメント症候群を引き起こしてしまいます。

「コンパートメント症候群」という言葉は、
普通に生活している上ではほとんど耳にすることがないのではないかと思うのですが、
交通事故や災害時には容易に起こりうる疾患であり、
長期にわたってスポーツをしている方にとっては、
比較的身近な現象でもあると言えるのではないかと思います。

そもそもコンパートメントとは、なんのことなのでしょうか。

四肢の筋肉は、伸縮性の乏しい強靭な筋膜によっておおわれていて、
筋膜と骨が隔壁となっていくつかの部屋に分けられた構造をしており、
この構造がコンパートメントと呼ばれています。

コンパートメント内は通常局所の血圧より低く、陽圧となっているのですが、
何らかの原因でコンパートメントの内圧が高まり、
局所の血圧を上回る状態が持続すると、筋や神経の血流障害が生じてしまいます。

血流遮断が6~8時間以上続いてしまうことで、
コンパートメント症候群を引き起こすといわれています。

一般的には前腕や下腿などの四肢の発症が多いのですが、
他にも臀部や腹部に発生することもあります。

習慣的なスポーツや事故などによって、打撲や骨折、
脱臼することをきっかけに出血が起こり、組織内圧が上昇して発症することが多くなっています。

このように、外傷によって引き起こされたものは急性コンパートメント症候群といい、
習慣的な運動によって筋肉群を酷使することによる損傷から引き起こされたものは
慢性コンパートメント症候群と分類されてます。

筋膜切開の手術や予防

また、整形外科の領域では、手術後に術後出血や手術手技に関連して発症することもあり、
看護をするにあたっては患者が強い痛みを訴えた際には、
コンパートメント症候群の発生の可能性を常に
念頭に置いておく必要があるといえるのではないかと思います。

コンパートメント症候群は、打撲や筋挫傷などの外傷から徐々に進行して発生する場合が多いので、
処置が遅れることが一番危険です。

なので、予防としては原因となる外傷の応急処置を早期の段階で
的確に行うことがポイントとなってくるでしょう。

コンパートメント症候群を発症してしまった場合の治療法としては、
原因部位の圧迫の解除、骨折の転位が大きい場合には整復を行うことが有用な場合もありますが、
強い痛みや皮膚蒼白、知覚異常、麻痺、脈拍喪失などの症状が短時間で軽快しない場合には、
8時間以内に筋膜切開を行い、コンパートメントの徐圧を図る必要があります。

コンパートメント内圧が50mmHg 以上の場合は手術適応となり、
30mmHg以上が数時間経過する場合は筋膜切開術が考慮されます。

手術適応になれば、開放創での管理となるので頻回なガーゼ交換も必要となり、
滅菌操作や感染予防などの看護技術も重要となってくることとなります。

術後は1週間程度安静とし、
その後回復状況に合わせて可動域や筋力の強化を行うリハビリを行っていきます。

4週間程でジョギングができるようになり、
約3~4カ月程で完全復帰といった経過を辿ることが一般的となっています。