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ドラッグラグやデバイスラグの原因と対策!問題的とは


海外で使用されている薬が日本では使用できない。
そういう未承認薬の問題が現状で起こっています。

日本の薬事法上、未承認の薬剤はある一定の条件を満たさなければ使用する事はできません。
日本で発売されるまでには約4年という年月がかかっており、この時間差の事をドラッグラグと言います。

ラグが起きるのはなぜ?問題点

原因としては以下の3つが挙げられています。

  • 開発着手の遅れ
  • 治験長期化による遅れ
  • 審査長期化による遅れ
  • しかし、この中で審査長期化は他国と比べて僅かな差しかありません。
    治験の長期化においても海外の5年という期間はほぼ同じに等しく、優先審査品目の場合には米国よりも短いというデータもあります。
    つまり、開発着手の遅れが一番の問題であると指摘されています。

    実際、世界承認時に日本で開発が開始されているのは約4割でしかない事も明らかになっています。
    開発着手が遅れている原因としては日本法人の存在がなく、あったとして患者数が少数であり、治験の成立が困難であるためです。
    また、治験の成功率が低い場合にも開発に躊躇いがあるのではないかと言われています。

    厚生労働省の取り組み

    今後、革新的な技術の対応への対応が必要である事も考慮して新たな対策が必要であると考えています。
    そこで打ち立てられた取り組みが申請ラグと審査ラグの短縮化です。

    申請ラグ

    市場性や薬価によって開発着手時期を決定しますが、日本において優先度が低い場合もあるため、着手時期の調整は困難となっています。
    そこで開発期間を短縮するための取り組みとして治験対策の充実を図り、国際共同治験を推進する事によって、治験のスピードやコストの改善が出来るようにしています。

    また、円滑に開発に取り組む事が出来るように薬事戦略相談制度を開始し、試験や治験に対しての指導や助言を行うように体制を整えています。
    さらに今後はガイドラインの作成を視野に入れています。

    審査ラグ

    審査のラグを短縮するには体制強化の必要性が挙げられ、審査を実施する(独)医薬品医療機器総合機構の審査人員の増強を行っています。
    今後は増員した審査員の育成を目標としています。

    補助人工心臓など医療機器について

    日本でラグが生じているのは医薬品だけでなく、医療機器にも起こっており、これをデバイス・ラグといいます。
    医療機器の中でも補助人工心臓はデバイス・ラグの象徴ともいわれており、この機器が日本では使用できない事で、命を落としたと推測できる事例もあります。

    デバイスラグも医薬品と同様にアメリカに後れをとっており、年度によって違いはありますが平均して約1.5年の差が生じています。
    ラグが生じている原因としては、専門知識が備わった審査員の育成が不十分であること、機器の頻繁なバージョンアップに対応しきれない審査体制があります。
    また、コスト面にも問題があり、審査には多額の経費がかかるために中小企業の参加が少ない事が指摘されています。

    ラグが大きくなればなるほど、他国に医療の遅れをとるだけなく、本来なら助かるべき命が失われてしまいます。
    そのためにも、国によるラグの一層の短縮化がのぞまれています。