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三次救急医療機関である日赤病院の手術室の仕事


私はある地方の日赤病院で、3年程手術室看護師として勤務していた経験があります。

日赤病院は、全国的に地域医療支援病院や
災害拠点病院の指定を受けているものが多いと思いますが、
私が勤めていた日赤もそれらの指定を受けていて、
さらに急性心筋梗塞や頭部外傷、脳卒中などの複数診療科領域の処置が必要となる
重篤な患者を取り扱う三次救急医療にも対応していたので、
非常に危険な状態の緊急の患者さんや、
一刻を争う緊急オペが必要な患者さんもよく運び込まれていました。

その時は、日勤勤務が8:30~17:30まで、遅出勤務が10:00~19:00、
拘束勤務が12:00~21:00までと一応の勤務シフトがあったのですが、
勤務終了間際に緊急オペが重なったり、定期オペが予定以上に長引いたりすると、
もちろんドンドンと残業になってしまいます。

また、遅出勤務というシフトは19:00までとされていながら
実質は『4人目の拘束スタッフ』という側面も持っていて、
緊急オペの依頼が2件重ねて来た際には
19:00に帰っていても呼び出しがかかることもあったのです。

さらに拘束勤務については、平日拘束は21:00に帰宅した後も
翌日の8:30までは拘束時間、土日祝日の休日拘束については、
その日の8:30から翌日の8:30まで24時間拘束というシフトだったので、
休日拘束の際には最悪の場合24時間ぶっ通し勤務ということも経験したことがありました。

日赤という特性上、他の病院が断わった症例については
多少の無理をする程度(どうしても医師がいない・足りないとか、
麻酔科が引き受けられないといった事情以外)であれば、
基本的には受け入れをするというスタイルだったので、
最悪の時には大動脈解離のオペが立て続けに2件入ってしまったり、
1件のオペがやっと終わりそうだと一息つきかけた時に
次のオペの要請が入る…ということを2、3回繰り返すということも多々あり、
休日拘束で1回も呼び出しがかからない日に当たったときには
「こんな奇跡もあるんだ」と感動する程でした。

手術室は、残業をしたら完全に時間外手当が付く部署

それでも3年間頑張れていた要素の一つに、
オペやその片付けをしていた時間外勤務時間があれば、
そのすべての時間に対して時間外手当を貰うことができていたということもありました。

同期の病棟勤務の友達の話では、「2時間残業をしても0.5時間分しか時間外手当が付かない」
なんてことも聞いていた中、手術室では時間外に当たる勤務は
全て自己申告で受理されていたので、それはなんとも有難いなと思っていたところでした。

月に3、4回の拘束勤務の度に5時間以上の手術をこなしていると、
3~4万円、多い時には5万円近くも給与に差が出ることもありました。

この特性を活かしてか、休日に拘束のシフトではないのに、
2件のオペを並列したい状況になった際の「4人目の拘束スタッフ」として呼び出してもらうことに
立候補するスタッフもいたくらいでした。

“ちょっとプラスでお給料を増やしたい”と思っているスタッフには、
良いバイトのようになっていたんだと思います。
自分の勤務先で、正当にバイトができるので私も良い使い方だなと思っていました。

三次救急医療病院の手術室スタッフとしての苦悩

そんな勤務状況がずっと続く部署であったため、独身時代にはよく稼げるし、
少し自分が頑張って大変なのを我慢していれば良かったので勤めやすい部署だったのですが、
結婚すると“いつ何時呼び出しがかかるか分からない”、
“1度帰ってきたのに、また出て行って次はいつ帰ってくるか分からない”
という生活スタイルに対して主人の理解が得られず、
結局仕事を辞めることになってしまいました。

また、日赤は三次救急医療に対応していたため、交通事故で蘇生率が極めて低い症例や、
脳や心臓の出血性疾患で一刻を争う症例、全身麻酔の帝王切開の緊急オペといった危険度も高く、
熟練された技術と知識が必要な場面に遭遇することも大変多かったのです。

それ故、新人の頃は業務の上で自分の限界や恐怖を感じる場面に遭遇することも多く、
辞めるまでの3年間も、常に「いつ辞めるか」を考え悩まされ続けていたというストレスも
大きかったという要因も退職を決意する一つのきっかけとなっていたと思います。

それでも手術室の仕事は意外と好きでしたし、
3年間手術室看護に接している中でその面白さや奥深さを知り始めていた頃でもあったので、
今でも機会があればまた手術室に戻りたいなと思う事もあります。

仕事を覚えるまでや、実力以上の緊急症例に遭遇することは
かなり大変ですしストレスも大きいのですが、
手術室看護師としての緊急度の高い症例をたくさん経験したいと思っている方や、
多少の無理をしても高い収入を得たいと考えている方には
日赤の手術室もオススメだと思います。