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乳児期の予防接種が変わった!新しい四種混合ワクチンとは


2012年の8月以降に誕生した赤ちゃんや、これまでに三種混合(DPT)、
ポリオワクチンを一度も接種したことがない赤ちゃんに対して、
今後は『原則として四種混合(DPT-IPV)のワクチンを接種する』というシステムが、
2012年11月より導入されました。

これは、これまで主に用いられてきた
D:ジフテリア、P:百日ぜき、T:破傷風の三種混合ワクチンに、
新たに日本で独自に開発された不活化ポリオワクチンを加えたものです。

これまでの4種類のワクチンとこの四種混合の違いとしては、
1本のワクチンで4種類の疾病の予防ができる点と、

国内産弱毒性不活化ポリオワクチン

これまでのポリオの予防接種には生ワクチンや
輸入された強毒型の不活化ワクチンが使用されていたものが、
今後は国内産の弱毒性の不活化ポリオワクチンを使用できるようになったため、

生ワクチンや強毒性の輸入ワクチンよりも
安全性が高くなっている点と言えるのではないかと思います。

このワクチンは、上記4種類の予防接種を一度も行ったことがない乳児が対象となっているので、
2012年7月より前に誕生した赤ちゃんで、
すでに三種混合ワクチンや単独のポリオワクチンを接種している場合には、
その後も原則として四種混合ワクチンではなく、
それぞれのもの受けることになっています。

定期接種のスケジュール

この予防接種は定期接種に分類されていて、
予防接種法に基づいて必要回数を公費で接種することが可能です。

接種時期は、1期が生後3カ月から接種可能で、
標準的な接種方法としては3~8週間の間隔で3回、
3回目の1年~1年半の間に4回目を行うというスケジュールになっています。
(4回目の接種自体は6カ月後から可能)

2期は11歳から、DTの二種混合ワクチンを1回接種となるので、
実際に四種混合のものを接種するのは1期のみということになります。

気になる副作用やメリット・デメリットとは?

新しいワクチンになって新たに考えられる副作用というものはなく、
四種混合を接種した際の副作用は、
これまでのDPT+ポリオワクチンを接種した場合の注意点とほとんど同じとなります。

1本のワクチンで予防できる疾病が4種類になることで得られる最大のメリットは、
やはり赤ちゃんが受ける注射回数の減少です。

それに、親にとっても小さな腕に針を刺されて
大泣きする我が子の姿を何度も見なければならないというのは、
注射と同じくらいに痛く辛いものですよね。

1本の中にいくつものワクチンが入っていることや、
不活化ポリオが日本独自の新薬だということで、
その効果の違いに不安を感じる方もいるかもしれませんが、
そこはしっかりと“四種混合ワクチンでも三種混合+従来の不活化ポリオワクチンの同時接種と
同等の免疫力が得られる”ということが報告されています。

ですがもちろんデメリットも存在しています。

それは、すでに三種混合ワクチンや不活化ポリオワクチンを単独接種している人は
原則接種ができないということです。

もちろん、どうしても三種混合ワクチンが手に入らない…となった際には、
やむを得ずですが四種混合ワクチンの接種が可能となっています。

三種混合が終了する!?

しかし、2015年になってシステム導入から2年以上経過した現在では、
三種混合の商品が製造中止の流れとなってきていて、
近いうちに供給されなくなると見られています。

このことで問題となるのは、現時点でポリオの予防接種は終了しているけれど、
三種混合が終了していないという場合です。

この事例で四種混合を今から受けるとなると、
ポリオが過剰接種ということになってしまうので、
流通している三種混合ワクチンがあるうちに早めに終了させることが重要となるようです。

その他のデメリット

他にもデメリットはいくつかあって、例えば1期で四種混合を選択した際には
4歳以降での不活化ポリオワクチンの追加接種が公費で受けられないということや、

せっかく四種混合をスタートしていても、
供給量が不足しているため順番を待たなければならなくなるといったことが挙げられます。

しかし、このワクチンの導入が始まった2012年時点では製造会社も少なかったため
安定供給が見込めないということや、需要に対して供給量が足らないといった懸念もされていたのですが、
2014年までには複数の製薬会社がその製造販売承認を取得したことから、
今後は製造量も大幅に増加し、供給量も徐々に安定していくとされています。

他のワクチンとの同時接種の安全性は?

四種混合ワクチンと他のワクチンとの同時接種において、
それぞれのワクチンの効果が落ちたり、副反応の頻度が上がるといったことは
現時点では無いとされているので、心配はありません。

また、四種混合ワクチン以外のワクチンを続けて接種する際には、
6日以上空くように計画を立てると問題ないとされています。

ワクチン接種による死亡例とそのリスクとは

2015年1月現在では、あらゆる医師や専門家が“四種混合ワクチンは安全で、
死亡などの重症リスクは極めて少ない”としています。

一方で、2013年3月には四種混合ワクチンと
他のワクチンの同時接種を受けた男児の死亡例が報告されました。

この男児は生後6カ月未満で、
2013年3月上旬に四種混合ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン、
ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン、ロタワクチンの同時接種を受けた後、
死亡したということでした。

ですが、この症例については、2012年10月から2013年3月7日までの間に
ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種症例で6人の死亡例が報告されていて、
そのうち4例が同時接種だったという経緯があることから、
四種混合ワクチンは直接的には関与していない、
その他のワクチンの同時接種によるものではないかといった指摘がされています。

危険性について考える

よって、現時点では「四種混合ワクチンの接種による重篤な副反応は無い」
という認識で構わないという結論になっています。

しかしながら、四種混合に含まれる不活化ポリオワクチンは新薬のため、
その世界的な使用経験はまだまだ少なく、
今後何か起こるかもしれないという可能性は0とは言い切れません。

「新たな副作用や思わぬトラブルが今後生じる可能性が拭いきれないというリスクは常に孕んでいる」
という認識を保護者が持っていることは非常に重要であるため、
その点については医療従事者が正しい知識を持っておくことや、
予防接種の心構えについての保護者への保健指導が大きな役割を持つのではないかと思います。