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全身清拭 目的≪目標や手順・注意点≫


日々の業務の中にはたくさんの看護援助がありますが、
もっとも基本的で行う頻度の多い援助の一つに、全身清拭を始めとする清拭ケアがあります。

疾患や治療状況にもよりますが、入院患者さんの中には自力で入浴が困難な方も多く、
術後や障害の部位によっては全介助で清拭をしないと
皮膚の清潔が保てないという場合も少なくないのではないかと思います。

●清拭ケアの目的

清拭を行う目的としては、皮膚や粘膜などの汚れを除去し、
感染予防や皮膚を清潔に保つことや、筋肉を温めてマッサージを行うことで血液循環を刺激し、
血流改善や運動効果を得ることが主にあげられます。
    
また、全身の状態を十分に観察できる絶好の機会でもあります。
特に臥床時間の長い方や、自力で体位変換が難しい患者さんについては、
頻繁に皮膚の状態を観察していないとすぐに発赤ができたり、
褥蒼ができていた…でもいつの段階からなのか把握できていないといった
事態が起こる事もありますので、折角の観察の機会を十分に役立てたいものです。

●目標とは

清拭の大きな目標には、患者さん本人に爽快感を感じてもらい、
闘病意欲につなげてもらうという一面もあると思います。

そのためには、実際に援助を行う前に十分に全身観察とバイタルチェックを行い、
患者本人の体調や体力についてアセスメントしておく必要があります。

温度の設定や効果!アセスメントの重要性

●手順

清拭の手順としては、まず一番最初に患者の体調、
現在の気分などを確認し同意と協力を得る必要があります。

看護師側は、看護計画だったり必要な援助だからとこちらの都合でケアを提案してしまうので、
患者の満足感を満たすという目標を達成するためにはとても重要なチェックポイントになると思います。

教科書の清拭の手順では、顔→首→両手→腋窩→胸部→腹部→下肢→背部→臀部→陰部の順に、
末梢から中枢に向かって筋肉の走行に沿って行うと記載されているのですが、
実際の現場では患者さんの体位変換の苦痛を軽減させる目的があったり、
時間を短縮させる目的など様々な理由から、この順番でない場合もあると思います。

●お湯の温度


  
清拭に用いるお湯の温度は50~55℃で準備し、
実際に患者さんの肌に当たる頃には40度前後になっているように調整し、
室温は22~26℃くらいに設定することで、寒さを感じないよう配慮します。

●注意点

清拭を計画する際の注意点としては、
食後1時間は避けることや検査や処置などに重ならないかなどの実施のタイミングや、
清拭の前後にバイタルチェックを行って、異常がないか、
体調は変わりないかなどについても考慮し、状態によっては手浴や足浴、
陰部洗浄のみなど適切な援助方法に切り替えるといったことが挙げられるのではないかと思います。

清拭中の注意点は、清拭タオルが患者から離れてしまうと
次に肌に触れる際に冷たく感じてしまうため、
常にタオルを肌に当て続けるということや、浮腫のある場合は皮膚を傷つけないよう注意する、
高齢者や肥満の患者に行う際には、しわや皮膚が重なっている部分も
しっかり広げて拭くといったことが挙げられます。

●露出への配慮

また、患者のプライバシーや羞恥心への配慮は最も重要で、
カーテンの使用や必要最低限以外の肌を露出させないということも意識して実施します。
露出への配慮は、保温にも有効なので、清拭中の患者の不快感の軽減にもつながります。

さらに、皮膚異常や褥蒼の有無の観察、ドレーンやPEGなど留置物がある場合には
その周囲の皮膚状態についても観察を忘れてはいけません。
それらの固定の状態も確認し、不十分であれば再固定を行います。

石鹸を用いる場合もあるかと思いますが、
その際には石鹸が皮膚に残ると発赤や掻痒感に繋がるので、
すすぎや拭きとりを十分に行うよう注意が必要です。

●廃用症候群の予防とアセスメント

患者さんが高齢や機能障害がある場合には、すべてを援助するのではなく
自分でできる範囲の行動は促すことで廃用症候群の予防にもつながるため、
患者の自立度に応じて援助の方法をアセスメントする必要があります。

清拭は身体の清潔を保持して爽快感を得られるケアであるとともに、
看護師と患者の重要なコミュニケーションの時間でもありますので、
援助の時間を有効に活用できるよう関わっていくことが重要なのではないかと思います。