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地域医療の問題点≪現状とビジョン≫


●進む高齢化社会と中核病院が抱える問題、
そして地域医療という光とは

それぞれの地域には、個人医院や診療所といった小規模の医療機関から、
救急医療や高度な医療に対応できるようなその地域の医療の中核を担っている
中・大規模の医療機関など様々な医療施設があります。

そして、最近の地域の病院を利用する人々の間には、
“不調が起こったら総合病院に行こう”という考え方が多くなっている傾向があるようです。

また、“平日は仕事などで忙しく時間が取れないから、
あえて時間外に救急外来に風邪薬を貰いに行こう”という軽い気持ちで、
地域の中核病院を利用する人も増加しています。

地域の中核病院に、軽傷や風邪程度の患者や、高度な治療が必要な患者、
長期的な入院や介護が必要な患者、緊急性の高い患者など
様々な質の医療を必要とする患者が集中してしまうと、
本来中核病院が果たさなければならない“適切なサービスの提供”ができなくなってしまったり、
施設で働く医療従事者にも大きな負担となってくるという現状が、
今全国的に深刻な問題となっています。

このような現状を改善するために、厚生労働省が提案した指針の一つとして、
「地域医療連携」という仕組みがあります。

地域に暮らす人々に大きなメリットをもたらす地域医療連携指針

地域医療連携とは、その地域の医療機関が、各々の施設の機能や規模、
特色、医療の需要の状況などに応じて、その機能を分担したり専門化を進め、
大小それぞれの規模の医療機関がお互いに連携を図り、
個々の医療機関の機能をより有効かつ迅速に、
また地域の医療サービスが円滑に活用できるよう調整することによって、
より一層地域の住民が「継続した適切な医療」を受けられるようにと示されたものです。

●では、そもそも“地域医療”とは、
どのような医療のシステムを言うのでしょうか。

地域医療は、医療機関が主導して地域住民の健康を維持・増進していくことを目的とし、
地域の行政機関・住民・企業などが連携して取り組む総合的な医療活動のことを指します。

その医療活動の内容は、疾病の予防や治療、
退院後の療養・介護・育児支援というように、実に多岐に渡っています。

そして、地域医療連携のシステムが整備されていく中で、
重要なキーワードとなるのが「かかりつけ医」ではないかと思います。

地域におけるそれぞれの中・大規模病院が、
その施設と連携していたり十分なネットワークを確立できている医院や診療所について、
登録医名簿を作成し、提供・紹介を行っています。

この、地域の診療所や医院といった小規模の医療機関を、
症状や怪我の程度によって積極的に利用することで、待ち時間が短くなったり、
ゆっくりと相談ができたり、自分の身体のことについて
じっくり話を聞くことができるといったメリットにも繋がります。

他にも、土日や夜間に開院している施設や、
往診に対応している施設もあったりするので、
大きな病院では得られないサービスやサポートを受けることができるというメリットもあると思います。

●地域を支える地域医療。

「地域医療」という言葉は最近になって
活発に議論され始めたもののようなイメージがあるのではないかと思いますが、
実は“地域医療を捉えよう”という動きが活発になったのは、
1960年代以降と言われていて、ずいぶん昔から注目されていた分野のようです。

最近では総合病院などでも地域医療連携室を設置している施設も多く、
そういった病院では入院生活における管理や退院に向けた調整などに
看護師も介入して管理することで、看護の視点で患者の全体像を捉えやすくなり、
患者への対応の改善に効果を発揮しているということです。

病院完結ではなく、在宅完結型の医療を目指して

現在でもまだまだ看護師の育成というと、
病院などの医療施設における即戦力になることに目標を置いた育成が中心なのではないかと思います。

しかし、高齢化や過疎化が急速に進む現代の日本においては、
地域医療の中にも看護師が活躍できる場所は大変多くなっています。

病院などの医療機関はもちろん、介護施設や福祉・保健の分野においても
今後はさらに看護師の重要性が叫ばれていくのではないかと思います。

そんな地域医療において、
今後さらに看護職と関わりが深くなっていくと予想される分野が、在宅医療ではないでしょうか。

在宅医療は、外来通院や入院医療に次ぐ“第三の医療”とも言われており、
そのサービス形態は今後さらに多様化していき、その需要も増加していくと考えられています。

看護師の役目・役割

在宅医療において、看護師の活躍が期待される場所には、
老人福祉施設や訪問看護ステーションなどが挙げられます。

在院日数の短縮化の影響や、自宅での療養を希望する高齢者やその家族も、
最近では増えてきているようです。

今後は地域医療、在宅医療という中で、
医療依存度の高い高齢者の在宅での生活を支えていくということが、
看護師の地域医療における大きな役割となっていくことでしょう。