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心臓カテーテル検査と看護≪目的や手順≫


●検査を受ける患者も増加傾向!
心臓カテーテル検査とその看護とは

心臓や大血管に異常が疑われる症例について、血行動態や機能の確定診断、
治療方針の決定を行いたい場合に、心血管内にカテーテルを挿入して
より詳細な検査を行う心臓カテーテル検査が行われます。

心臓カテーテル検査とは、大腿部や肘部の血管からカテーテルを経皮的に心臓内に挿入し、
造影剤を使って冠動脈の狭窄などの異常を検出したり、心臓内腔の圧力や、
酸素飽和度を測定して血行動態を把握することによって心機能を詳しく調べるものです。

急性の虚血性心疾患が疑われる救急搬送などの緊急時には、
検査と合わせて心臓カテーテル治療(PCI)が行われることも多くなっています。

心臓カテーテル検査は、臨床では
「心カテ」と略されて用いられていることも多いのではないかと思います。

心カテを行う目的としては、

①心腔各部の圧力や心拍出量を測定することによって判定できる心臓のポンプ能力、局所的な血液を採取して血液ガスや生化学的成分を調べる【血行動態検査】

②造影剤を注入してX線撮影をし、心室の形態や動きを調べたり、冠状動脈の狭窄を見て虚血性心疾患の場所と程度を調べる【造影検査】

③電極カテーテルの挿入によって心内心電図を取り、体外から取るよりもさらに詳細な心電図を取ることができたり、体外から電気刺激を加えてその反応を調べ、不整脈の原因と程度を調べる【電気生理学的検査】

があります。

種類!右心カテーテルと左心カテーテル

心臓カテーテル検査には、一般的に右心カテーテル検査と左心カテーテル検査があります。
その違いを、以下にまとめてみました。

右心カテーテル:内頚静脈または大腿静脈、尺側皮静脈や鎖骨下静脈から
スワン・ガンツカテーテルを挿入して行います。

血流に乗ってカテーテルが静脈内を進んで行くので、動脈に挿入するよりも血管内圧が低く、左心カテーテル法に比べると侵襲も少ないため、ベッドサイドにて施行されることもあります。

(分かる事)
・血行動態検査:右房圧(RAP)=中心静脈圧(CVP)、右室圧(RVP)、肺動脈圧(PAP)、肺動脈楔入圧(PAWP)=左房圧(LAP)
・心血管造影:肺動脈造影、右室造影など

左心カテーテル:橈骨動脈または上腕動脈や大腿動脈から、
造影用カテーテルやビッグテールカテーテルを左心室などに向けて、
血流の向きに逆行する形で大動脈内を用手的に進めていきます。

動脈内は高圧であり、その中にカテーテルを挿入していくため、
右心カテーテルよりも侵襲性がやや高い検査となっています。

(分かる事)
・血行動態検査:大動脈圧(PA)、左室圧(LVP)
・心血管造影:左室造影、冠動脈造影、大動脈造影。

病棟での看護と観察点

心カテにおける看護師の役割としては、検査前後の看護を行う病棟看護師と、
検査処置中の看護を行う心カテ室の看護師があります。

まずは、検査における病棟での看護をまとめておきます。

検査前には、両肘部・両ソケイ部の剃毛、造影剤を始めとした薬物アレルギーの既往歴の確認、
メガネや指輪、時計をはずしてもらう、バイタルチェック、両橈骨動脈、
両足背動脈の確認とマーキングが重要となります。

また、検査終了後に帰室してからの2時間は安静臥床とし、
当日は床上安静となることをを患者さんに説明します。

帰室後は30分間隔でバイタル測定を行い、その変動の観察と、
創部の疼痛・腫脹・熱感・創出血・皮下出血・離解の有無の観察、をしっかり行います。

検査後の注意点としては、穿刺側の上肢は2~3日程シーネで固定して、
安静を保持しなければなりません。

さらに、腫脹予防のためベッド上ではバスタオルや枕など用いて
上肢を軽度挙上させておくよう留意します。

歩行時にも前腕が下がらないよう患者にも説明を行い、
注意してもらうようにしましょう。

また、造影剤を適切に排泄させるため飲水を促します。
創部の出血が続く場合には、枕子などで圧迫固定を行っていきます。

次に、心カテ室の看護師の観察点を簡単にまとめます。

処置中の観察項目としては、シースの挿入部位・サイズ、各検査指標の値、検査中のバイタルサイン、
胸部症状の有無、点滴の内容と流量、足背動脈の確認、
下肢の冷感の有無、しびれ感・疼痛の有無を観察します。

これら下肢の諸症状を確認することによって、下肢血栓症の早期発見に努めます。
下肢状態の観察については、検査前にどの程度触知できていたのか、
どの程度の冷感だったのかという情報も重要になってくるので、
患者の搬入の担当看護師から、入室前の情報について詳細に収集しておく必要があります。

また、処置中は心拍出量の算出やシャントや圧較差の有無の判定をしたり、
カテ挿入時やカテ先の移動時などに生じる胸部症状について、
患者からの訴えがあった場合には、その内容や程度についても記録し、医師に報告を行います。

心臓カテーテル検査では、他にも合併症として緊張や不安によって引き起こされる
副交感神経反射や、狭心発作・心筋梗塞発作の誘発、重症不整脈、
心タンポナーデの発症といった緊急性が高く生命の危険に関わるものが多いため、
検査中は患者の様子や訴えについて注意深く観察しなくてはなりません。