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手術室でのヒヤリハット、インシデント体験談


私が手術室で勤務していた時に経験したヒヤリハット、インシデントは、
やはり様々な物品における患者様の取り違えや、
手術部位の間違いに関するものが多かったように記憶しています。

手術室という部署は、病棟とは仕事の流れや雰囲気が全く違うところですので、
インシデントやアクシデントの起こる内容も、病棟などとは異なる事例が多いのではないかと思います。

病棟などで起こるインシデントやアクシデントというと、やはり点滴や薬品に関するものや、
患者様の体転や移動といった療養上の世話に関するものが多くなるかと思います。

しかし手術室では、取り扱う薬品のほとんどが劇薬であったり、
直接的に術中の患者様の循環動態を変動させたり、鎮痛・鎮静の目的に投与される事が多いため、
使用する際には必ずその薬品を医師に見せながら、医師の目の前で投与することが多かったので、
薬品や投与量の間違いというような事例は比較的少なかった印象があります。

インプラント類や自己骨に関する取り違えなど


それよりも、手術室ではやはり患者様の体に直接手や医療器具を用いて治療することが多かったので、
患者様の体に入れるインプラント類や自己骨に関する取り違えや、
手術部位、特に術側に関するヒヤリハットの事例が特に記憶に残っています。

手術室勤務の中で、最も気を付けなければいけないアクシデントは、
やはり患者の取り違えや、手術部位の間違いだと思います。

このため、術前のタイムアウトといったそれを防ぐための取り組みも重ねて行い、
防止策の取り組みもしっかり行っていました。

そんな取り組みの成果もあって、私が勤めていた間は
患者様そのものの取り違えというアクシデントが起こることは一度もありませんでした。

術側の左右を間違いかける経験

しかし、やはり“担当医師が出す手術依頼書→それを週間予定表に師長が転記→当日、
リーダーがその日の予定表に転記”と何人もの人の手が加わることによって、術側の記載ミスなどは起こり、
あわや術側の左右を間違いかけるといったヒヤリハットは、何度か経験することがありました。

私が体験したそれらの症例では、医師もしっかり術側を覚えていたし、
術前のタイムアウトによって担当看護師数人がいくつかの矛盾に気付くことで、
患者搬入前にその矛盾をしっかり確認して、患者搬入後にもレントゲン写真で確実に確認をしたことで、
事故を未然に防ぐことはできました。

しかし、もし仮にそのような矛盾に誰も気付くことがなく、
医師も正確に記憶していなかったとしたら、このような事例は容易にアクシデントとなっていた、
とても危ない体験だったなと感じています。

他にも、同じ商品名のインプラントで左右が反対といった物や長さが違うといった品物が、
2名の患者用に準備されていた際に、誤って違う方を使用しかけたり、
開頭手術後の自己骨移植術の際に違う人の骨を準備しかけていたというようなヒヤリハットもありました。

取り返しのつかない大きな事故になりかねない

手術という治療は、大きな侵襲で患者様の身体に直接傷を作る行為でもあるため、
本来使わなければいけない医療用具を取り違えるということは、
本当に取り返しのつかない大きな事故であると思います。

私が勤務していた時には、そういった取り違えや使用ミスなどが絶対に起こらないよう
担当オペのチームナースや担当医師も含めて、
その防止に細心の注意を払いながら日々の仕事に取り組んでいたのですが、
やはり看護師だけ、医師だけという職種間のみで気を付けるのではなく、
麻酔科医も巻き込んでチーム全体で防止の取り組みを行うことが
日々のアクシデントを回避するためには重要であるということを身を持って体感した経験であったと思います。