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看護師の人手不足の理由はブラック病院にあり!?


昨今、様々な業種で「ブラック企業」という言葉が注目され、
色々と劣悪な勤務実態や経営実態が取り上げられることが多くなりましたよね。

十分な休暇を取得させずに、規定労働時間の大幅な超過を強要し、
明らかに勤務内ではこなすことができないと判断できる業務量を要求する過重労働や、
度重なるサービス残業の常態化や適切な手当を付けないなどの違法労働などによって就労者を酷使し、
次々と離職に追い込んでしまうような企業を指すようです。

有給休暇、規定日数を毎年消化できてる!?ブラック病院

このブラック企業の実態、すべて看護師の労働環境に当てはまると思いませんか?

就業規則として有給休暇は規定されているのに、
1年間にその規定日数をちゃんと毎年消化できているという方は何人いらっしゃるでしょう。

日勤の就業時間は8時半から17時半なのに、朝は7時半から出てきて情報収集や8時半以降の業務の事前準備をしたり、
19時20時頃まで記録を整理し続けたり、人手が要りそうな場面があったら少し手伝って…
なんて毎日を過ごしているという方が、どれくらいいるでしょうか。

そして、それらの残業代は素直に時間外請求などさせてもらえず、
結果サービス残業が当たり前…となってしまっていますよね。

よくよく考えたら、病院という職場は昔っからブラック企業の温床だったんですよね。

しかし、これ程深刻化するまでは、看護師側も「これが当たり前、仕方の無い事」と飲み込んで従ってきた部分も大きく、
病院側はそれを良い事にあまり深刻に捉えて来なかったという背景があるのではないかと思います。

退職する人が増加している現状

そして、最近では看護師の職離れが加速しています。
その大きな理由は、そんな労働環境なのではないかと思います。

とある私の友人は、妊娠が判明した際に職場に初期であることを伝え、理解と協力をお願いしながらも、
これまでと変わらない働き方で勤務を続けていました。

幸いつわりも軽く、自分は今まで通り動けると思って働いていたある日、
出勤後しばらくして気分不良となり倒れてしまったそうです。

本人も倒れたのは初めてで、かなり不安になったようで
「帰らせてもらえないかな」と考えたそうですが、10分程横にならせてもらった後
「具合どう?大丈夫そうなら勤務に戻って」と声を掛けられ、
帰っていいとは言ってもらえずに結局その日はそのまま日勤をこなし、
その上超過勤務もいつも通り行って20時に終業し帰宅できたそうです。

またある友人は、元々気に病んでしまう傾向の性格だったこともあったのですが、
転職や家庭の事情などが重なって次第にうつ傾向となってしまい、
しばらくは通院や服薬をしながらも出勤していたあるとき、昨晩から高熱が出て薬を飲んでも解熱せず、
朝には起きることもできなかったため、「今日は休ませてもらいたい」と職場に電話で伝えたところ、
「座薬を使ってでも出勤できないか」と言われたそうです。

そんな無理が度々起こり、ついにはうつ状態が進行してしまい
診断書によって休職を繰り返してしまうようになってしまいました。

こんな話を聞いた時、私は「ブラックな環境だなー」と感じました。

この2人は今まで本当に一生懸命に、また献身的に職場に貢献して過酷な勤務状況でも
「病院のために」と働き続けてきたのですが、この出来事をきっかけに、
いざ自分が無理のできない状況になった時、
職場は『どれだけ自分が貢献し、犠牲になってきたとしてもいざとなったら自分を労わってはくれない』、
『自分を守れるのは自分だけだ』と痛感し、
産休入りをきっかけと、休職期間の終了を以て、退職することを決めたそうです。

しかし、私も結婚前に働いていた10年以上前であれば「熱が出ても、とりあえず出るのは当たり前だよな」、
「妊婦でも、今日かなり忙しいし居てくれたら嬉しいな」と思っていたことでしょう。

井の中の蛙…という言葉がありますが、他の実態を知っているのと知らないのとで、
これほど自分の印象や考えに変化があるのだなと今になって改めて実感しています。

そして、これらの事例はやはり現場の“人手不足”が招くものだと思います。

そう考えると、人手不足とブラックな職場環境は表裏一体、
同時に解決を図る必要があるがある問題なのだなと思いました。

シフトと連続夜勤、仮眠時間の設定

平成13年に、くも膜下出血を起こして死亡した25歳の看護師の遺族が起こした裁判において、
“一部でも過重労働が死亡に影響を及ぼした可能性がある”と認められたという事例が社会的に取り上げられて以降、
看護師協会レベルで業務改善の対応がなされ始めました。

これによって、勤務間は最低11時間以上の間隔が開くようにシフトを設定する、
連続夜勤は2回まで、夜勤の途中は仮眠時間を設定するなどなど
他にも様々なガイドラインが設定されたのですが、これらも大きな病院では意識されていたとしても、
個人の病院などでは徹底されていないことも多いのではないかと思います。

確かに、病院側も日々の運営はボランティアではないので、
採算の取れる経営方針というものもそれぞれにあるとは思いますが、
それよりも看護師の職場の環境の悪さや、人手不足、
離職率の加速を解決する方が先決ではないかと思います。

短時間勤務やフレックスタイム

2012年には、短時間勤務やフレックスタイムを導入した病院において
離職率が確実に低下したという結果も出ているようです。

看護師の労働環境は、これまで決して『個人の尊厳』が守られた働き方であるとは言えるものではなかったと思います。

これからは、看護師一人ひとりの“尊厳も”大切にした労働環境に変遷していってくれることを願わずにはいられません。