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看護師 時間外手当≪給与の実態≫


看護師という職業には、多かれ少なかれ「残業」、つまり時間外勤務は付きものです。

日勤だと、昨日退勤して、今日出勤するまでの間に誰かの容態に変化がなかったか、
新たな入院患者はいないかなどの情報収集が必要ですし、
たくさんの患者さんの観察を決められた時間にちゃんと実行するために、
その時間までに必要な準備は済ませておかなくてはいけません。

新人になると、慣れない業務や準備に経験者より時間がかかってしまうのは当然のことで、
その分早く出勤する「前残業」も必然的に多くなることでしょう。

また、準夜勤や夜勤勤務でも、本来の勤務時間までは患者に関する業務をこなし、
自分の勤務時間が終わったら交代の看護師に申し送りや業務の引き継ぎを始め、
その間に何か人手の必要なことが起こったら手伝って…などということをしていたら、
平気で1時間くらいはあっという間に経ってしまいます。

しかし、これらの残業は業務を円滑に遂行するためにはとても重要な時間外勤務で、
それは看護師自身も納得しているため、
現場では、交代制勤務者の20%以上が月30時間以上の残業をしているのです。

中には過労死の危険レベルとされる
月60時間以上の時間外勤務をしている人もいるのが実態です。

しかも、この過労死レベルの残業は、
交代制勤務者の4.3%にあたるという調査結果も出ています。

深夜・休日の時間外勤務

看護師として病院で働くといっても、その働く場所は様々で、
外来もあれば手術室もあり、病棟という選択肢もあります。

外来では、平日の診察時間内が勤務時間なので、
長時間の残業はほとんどないかもしれません。

手術室では、給与が同期の病棟勤務者より良いことがありますが、
そのほとんどは時間外手当のおかげです。

手術が時間外になれば片付けまで手当を付けてもらえるし、
深夜や休日の緊急オペには休日と時間外のそれぞれの手当が相応に付くからです。

一方で病棟看護師は、勤務時間内に終えられなかった仕事は自己責任として、
残業の一部分しか手当が貰えなかったり、
ひどい場合には一円も手当をつけて貰えないこともあるのが実態なのです。

2009年に日本看護協会によって行われた調査では、
20代の看護師が他の世代よりも時間外勤務時間が長いという結果が出ました。

しかも、その約25%が、月35時間以上の残業をしているにも関わらず、
多くはサービス残業として、時間外手当が支払われていないということも明らかになりました。

そのために、頑張っても収入につながらないし、
日々疲れとストレスだけが段々と蓄積されるということになり、
本人の疲労感もどんどんと強くなっていくという悪循環が生まれていくのです。

また、3交代制勤務の看護師では、
その6割弱の勤務間隔が6時間以下であることも判明しました。

ということは、睡眠や休息、さらには息抜きやリフレッシュさえも儘ならずに
日々の勤務に追われているという現状が見えてくるのではないかと思います。

看護協会では研修や勉強会も勤務時間内に行えるようにと推進しているようですが、
実際の現場ではほとんど無理に等しく、
実施されている施設もほとんどないのが現状なのではないかと思います。

せいぜい配慮されても、勤務終了30分前くらいから始めて、
1時間30分くらいは時間外といった具合でしょうか。

他にも、看護体制の見直しや、ノー残業デイが設けられるなどの対策を講じている施設もあるものの、
持ち帰りの仕事もあったり、記録の整理や引き継ぎなどの業務がどうしても必要なことから、
時間外勤務を一切なくすことは到底難しく、
このような状況が改善されるにはまだまだ時間がかかると思われます。

ですが、潜在看護師が増える一方で新人の定着が難しくなっている原因は、
少なからずこの労働環境に問題があるからではないでしょうか。

どうすれば、一人ひとりの負担が減って継続して働きやすい環境になるのか今はわかりませんが、
いつか自分を犠牲にすることなく
この仕事をやり続けられる環境になっていけば良いと、願わずにはいられません。