私は看護学校を卒業後、
総合病院の整形外科と皮膚科の混合病棟で、
約3年間働いていました。
そこは私にとってはとても思い出深い職場で、
楽しい思い出もたくさんあり、
当時の同僚とは少し遠距離ですが、
今でも年に一度は会う親友です。
しかし、仕事自体はストレスを多く感じ、
自分に合っていた職場とは言えませんでした。
日勤の始まりは午前8時からだったのですが、
1時間前の午前7時頃には出勤し、
業務の準備や情報収集をするのです。
特に就職して一年目の新人時代は先輩たちよりも早く出勤し、
早く仕事を覚えたいという気持ちを
態度で示さなければならないような傾向があり、
朝が弱い私にはとても辛い事でした。
そして、日勤の業務は目が回るように忙しく、
他の看護師たちもみんな業務に追われバタバタと走り回り、
報告や相談ですらタイミングを見つけるのに一苦労な状況でした。
残業は当たり前で、
時間通りに終業することはほとんどありませんでした。
帰宅するのは平均午後7時~8時で、
帰宅後は、足のだるさやひどい頭痛に襲われ、
しばらく椅子に座ったまま動けないような状況でした。
そんなハードな日勤が数日続くと、
深夜、深夜、準夜、準夜、休みが1クールの勤務が始まるのです。
忙しいからといってミスが許される職業ではないので、
休みの日も次の日が勤務だと仕事のことが頭の隅から離れず、
常に緊張感がありました。
就職して2年位経った頃から、
楽な職場に変わりたいという思いはどんどん強くなっていき、
最終的には結婚を理由に退職しました。
結婚し2人目の子どもを出産後、
ゆっくり患者さんと向き合って話がしたいという思いから、
訪問看護ステーションに就職しました。
ベテラン看護師ばかりだったので最初は不安がありましたが、
少人数だったこともあり、
とてもアットホームな雰囲気ですぐに馴染むことができました。
業務は、時間になると利用者宅に訪問し、
決められた時間内に状況に応じて必要な援助を行います。
主な内容は、バイタルサインや一般状態の観察、
服薬状況の確認、点滴や胃ろうの管理、
創の処置、排泄や保清の介助、家族の介護相談などです。
人間対人間の関わりなので相性などの問題や
誰の手も借りることなく
一人で時間内に業務を終えなければならないなど
訪問看護ならではの大変さはありますが、
自分のペースで仕事ができるので、
人に気を遣いやすい私にとっては前の職場に比べると
随分と働きやすく感じました。
また、学校行事などの予定がある時は前もって伝えておくと
訪問件数を調整してくれるので、
気軽に休めることも働きやすさを感じました。
家庭があり、子育てをしながら働くことはとても大変です。
しかし、自分が今、何を一番大切にしたいのか、
自分の性格や置かれている立場、
将来のことなどをよく考え、より条件に合った職場を探すことで、
働きやすい職場はきっと見つかります。
せっかく一日の多くの時間を過ごす職場なのですから、
無理をする事なく、楽しく、
やりがいを持って働きたいですよね。
気が楽な職場で働くことは家庭と仕事をうまく両立させ、
長く働き続けるための秘訣なのではないでしょうか。