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緩和ケア認定看護師の役割と求められる能力


緩和ケアとは、生命の危険をもつ疾患がある患者・家族の苦痛の予防や緩和、QOLの向上及び悲嘆(グリーフ)ケアを行うことであり、病気を治すことを目的とはしていません。医療の進歩に伴って緩和ケアを必要とする患者が増加しており、多くの医療機関で需要が高まっています。

チーム医療の中心となる存在

日本看護協会により、1998年に制定された認定資格です。緩和ケア分野において、幅広い知識と経験、高い技術を持つ看護師のことをいいます。

対象となる患者・家族の苦痛をできる限り取り除いて、人間としての尊厳を持ち、その人らしい生活を過ごせるように支援していくことが求められています。病気によって生じる、肉体的・精神的・社会的な問題をアセスメントして、根拠に基づいた看護実践を行います。また、患者・家族だけではなく、緩和ケアに関係する看護師の指導や相談も行うなど、チーム医療の中心となる存在です。
 

精神的なつらさを癒す

患者・家族は、いつか訪れる最期への恐れや喪失感、悩みなど悲嘆のプロセスを経験します。看護師は、そんな患者・家族の苦痛を理解して、個別性をもった看護実践を行うために、気持ちに寄り添い、受け止めて、支援します。薬など物質的なものでは取り除くことができない精神的な辛さを癒すことが重要な役割です。そして、大切な人との死別後、大きな悲しみにある家族への支援も必要です。また、緩和ケアを行う過程では、治療や最期の迎え方など倫理的な問題に遭遇することは珍しくありません。その場合は患者・家族の自己決定を尊重し、適切な倫理観をもって問題解決に関わることが求められています。

他職種との連携

緩和ケアにおいて、効果的に支援するためには、医療関係者や福祉関係者など他職種との連携が欠かせません。円滑なコミュニケーションでチーム医療の促進ができるように、連絡調整などのマネジメントの役割も担います。

また、認定看護師の専門性を生かして、知識の共有や学習会などを行い、看護職員全員の質の向上を目指した指導も大切な役割です。患者や家族の相談とともに、看護職員の持つ悩みの相談やアドバイスを行うことが求められているため、高いコミュニケーション能力が必要となります。

なるための条件

日本看護協会が指定する教育機関での教育課程を修了後、認定試験に合格することで資格を得ることができます。まず、教育機関に入学するためには、日本の看護師免許取得後に5年以上の実務経験があり、そのうち3年以上は緩和ケアを受ける患者の多い病棟や在宅ケアの実践を行い、5例以上の緩和ケア患者を受け持つ経験が必要です。また、現在も緩和ケア分野で勤務していることが望ましいとされています。

緩和ケアの専門職として貢献できる看護師になるために、認定看護師過程の共通過程、専門基礎科目、専門科目の授業、そして緩和ケア病棟や訪問看護ステーションなどでの実習を行います。実践では、患者・家族への支援方法、看護師への指導や相談を主体的に学び、学習を深めていくことが大切です。

資格取得後は、5年ごとの更新を行わなければいけません。転職時にも優遇され、看護師として役立ち、質の向上ができるやりがいの持てる資格であると思います。