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胸腔ドレーン 仕組み≪吸引圧やウォーターシール≫


外科系の部署での勤務になると、いろいろなドレーンの管理は
業務の中でよく対応する看護技術となり、
かつ重要な項目となるのではないかと思います。

術後の患者さんが多い急性期であれば、
術野となった部位には必ずドレーンが留置されて帰室することになりますし、
救急外来や緊急の入院を受け入れている外科病棟などでは
自然・外傷性を含めた気胸に対する
胸腔ドレーンに接する機会がとても多いのではないでしょうか。

●胸部の解剖整理を理解する

そんな入職後新人が触れる機会の比較的多い胸腔ドレーンですが、
その看護を理解し、習得するためには、
胸部の解剖生理をしっかり理解しておく必要があります。

そして、それぞれの病院で使用されている
ドレーンシステムについての理解・熟知も必要になります。

毎日のように症例の異なる患者に接していく中で、
知識と技術の習得と、経験の量のスピードが伴わず、
復習できずにズルズルと時間だけが経ってしまったり、
最悪の場合インシデントやアクシデントにつながる事態を起こす…
ということにもなりかねず、新人さんの中には
すでにそのような経験があるという方もいるのではないかと思います。

●肺液ボトル・水封ボトル・吸引圧制御ボトル

そもそも胸腔ドレーンとは、先述したように
肺野の術後や気胸などが起こった場合に、
胸腔内に貯留した空気や胸水、血液等を排出させ、
肺の換気がスムーズに行われることを目的として留置される物です。

そして、その処置は胸腔内を陰圧に保ったまま行われることが必須となります。
これは、人間の胸部の構造として肺を包む2枚の胸膜から構成される胸腔が、
常に陰圧でありそれによって呼吸が成り立つという解剖生理によるためです。

そのため、胸腔内に留置されるドレーンは、
持続的に陰圧を保ちながら胸腔内に貯留した空気や血液等を
ドレナージできる水封式持続吸引法が用いられます。

その仕組みは、排液ボトル、水封ボトル、
吸引圧制御ボトルの3のボトルによって構成されています。

排液ボトル側を胸腔ドレーンに接続し、
水封ボトルに滅菌蒸留水を入れることで胸腔内と外界の空気を遮断させ、
吸引圧制御ボトルを吸引源に接続して水柱の高さを調整することで
胸腔内を一定の陰圧に保ち、持続的に吸引をかけるというものです。

●チェスト・ドレーン・バック

この原理に基づいて、
3つのボトルが一体化・軽量化されたものがチェスト・ドレーン・バックで、
シングルバックやダブルバックなどが臨床では使用されていることと思います。

また、水封式持続吸引法による陰圧のみでは不十分な症例の場合に用いられる、
吸引圧がマイコン制御された
動力一体型であるメラサキューム低圧持続吸引器もあると思います。

皮下気腫と観察!移動時のクランプ

先ほどから繰り返すように、胸腔ドレーンが留置されているということは、
気胸で肺に穴が空いて胸腔内に空気が溜まっていたり、
術後の排液や術後出血の有無の確認の目的で留置されているということなので、
そのドレーンバックの観察事項は実にたくさんあり、
見逃してはいけない情報もたくさんあるということになります。

●吸引圧の設定・ウォーターシール

まず、もっとも大切なのは
常に胸腔内を陰圧に保つためにかけている吸引圧が、
医師の指示の設定範囲内に保たれているかどうかということです。

さらに、胸腔の中に出血や浸出液などがないか
排液の有無、性状の観察も重要です。

また、気胸や術後に最も重要となるリーク、
つまり肺からの空気の漏れの有無を確認するために、
ウォーターシールとも呼ばれる水封室の気泡の有無、
持続性やドレーンをクランプした場合の水封室の気泡の有無なども
見落としてはいけないポイントとなると思います。

また、ドレーン留置の合併症である皮下気腫にも注意が必要で、
その観察も忘れてはいけません。

胸膜に開けた穴が大きすぎたため、
胸腔内圧が上昇し過ぎることによって生じたり、
広がることがあるのでその範囲や程度についても
観察・記録しなければなりません。

●ドレーンの仕組みや臨床所見の意味を覚えていく

胸腔ドレーンについては、解剖生理にはじまり、
ドレーンの仕組みやそれぞれが示す臨床所見の意味を
その都度一つずつ覚えていくことで、
経験に伴って理解していけるのではないかと思います。

現在では、教科書や参考書のみではなく
ネットでも経験に基づいた情報や知恵袋などもたくさん検索できるので、
どんな方法でも知識を一つずつ増やしてくという気持ちがあると、
その習得も早いのではないかと思います。