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腹腔鏡手術 看護≪術後のトラブル≫


腹腔内臓器の疾患に対する外科的治療といえば手術療法なのですが、
単に「手術」と言っても現在の臨床では大きく分けて開腹術と腹腔鏡下術が行われています。

特に腹腔鏡手術については年々適応疾患も広がり、
手術器具や手技もめまぐるしく進歩しているのではないかと思います。

腹腔鏡手術は、開腹手術よりも切開創が小さく済むため痛みも少なく
傷も目立たないことが特徴で、退院後のQOLも高いことから
最近では選択されることが多くなっています。

また、開腹手術に比べると腸の動きの回復も早く
癒着のリスクも少ないなど術後合併症のトラブルを大きく軽減できるため、
手術前の生活に戻れる日数が格段に早いことも特徴の一つだと思います。

腹腔鏡手術とは、腹腔内に炭酸ガスを注入して気腹を行うことで、
十分な視野と操作空間を確保し、術野に5~30mm程の穴を複数個あけ、
そこからカメラや電気メス、鉗子などの手術器具を挿入して手術を展開していく方法です。

鏡視下手術の合併症について

腹腔鏡手術が日本で採用され始めた頃は、
胆嚢を切除するラパコレの症例が多かったのではないかと思うのですが、
その後急速に腹腔鏡手術は広まって行き、
最近では低侵襲かつ入院期間も短縮が見込めることから、
虫垂切除や胃・腸切除、泌尿器科や婦人科領域でも積極的に用いられるようになっています。

メリットばかりが多いように思える鏡視下手術ですが、
その手技には術者の豊富な経験と熟練の技も必要であり、
経験の浅い術者が行うと、術中に不要な出血を引き起こしてしまったり、
手術時間が大幅にのびることで患者への侵襲が大きくなってしまうなど
施術者に伴うデメリットが存在することも事実となっています。

腹腔鏡手術の術後早期の合併症としては、
術中の止血不十分や、クリップの脱落などによっておこる腹腔内出血や胆汁漏出、
さらに気腹による腹壁の皮下気腫などがあげられます。

また、手術創が開腹よりも小さいといっても、
創感染の可能性がないわけではありませんので注意が必要です。

さらに、術中の腹腔内圧が上昇し過ぎていた場合には全身の循環状態が悪化し、
静脈血栓や肺塞栓の危険性も高まっている場合があるので
術後管理にはその点についても十分な観察が重要となってくるでしょう。

腹腔鏡手術の術後の看護としては、術野についての観察事項ばかりでなく、
術中の体位についての知識も必要となるのではないかと思います。

外科疾患を例にとると、通常のラパコレや胃切除などは
仰臥位で行われることが多いですが、肺切除や食道切除、下部腸切除などになると
側臥位や砕石位といった特殊な体位で何時間も手術をすることもあるので、
麻酔から覚醒した後患者さんが、「腕がしびれる」とか
「腰が痛い」といった訴えを起こすこともよくあります。

そういった場合には、「手術体位」に原因を結びつけられると、
患者さんとのコミュニケーションも円滑に進めることができるのではないでしょうか。