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臓器移植のドキュメンタリー番組を観て思ったこと


とある日、某有名ドキュメンタリー番組を見ていると、ある医師が世界初で挑戦された「ハイブリット肺移植」についての放送がされていました。

私は以前手術室で勤めていた経験があるせいか、今でもオペ物のドラマとか、神の手を持つドクターの番組とか、今回のようなオペ関連の番組があると、やはり気になって見てしまいます。

ハイブリット臓器移植の手術

今回の番組では、脳死判定されたドナーから臓器を移植する脳死移植と、健康な生体ドナーから臓器を貰う生体間移植を同時に行う“ハイブリット臓器移植”手術が成功するまでの過程が紹介されていました。

ここで少し、臓器移植についておさらいしておきたいと思います。

多くは病気による臓器の機能低下が多いのではないかと思いますが、他にも事故などによる損傷で臓器が機能しなくなってしまった場合などに、他の人の健康な臓器を移植することでその臓器の機能回復を図る方法です。

臓器の移植は、健康な家族などから部分的な提供を受ける生体移植と、脳死判定がなされたドナーから提供してもらう脳死移植、心停止が確認されたドナーから提供して貰うものがあります。

生体、脳死移植など、その方法によって移植可能な臓器は異なりますが、心臓や肝臓、腎臓・膵臓・肺・小腸や眼球(角膜)などが移植可能となっています。

日本における脳死移植に関しては歴史もまだまだ浅く、1997年10月に臓器移植に関する法律が施行されたことによって、法的にも“脳死が人の死である”と認められ脳死移植が可能となりました。

しかし、現在でも日本においては年に数件ほどの症例しか施行されていません。

国外では肝臓や腎臓などの移植症例についてそのほとんどが脳死移植となっているのに対して、日本の現状としては生体移植が主に行われています。

オペ成功までの密着!

この番組では、岡山大で行われた家族の右下葉を移植する生体肺移植と、脳死ドナーから提供された片肺を移植する脳死移植を同時に行うという世界初となる術式に挑んだ様子が密着されていました。

実際にオペが行われる流れを見ていると、脳死ドナーから臓器を取り出して適切なタイミングでレシピエントの元に届けるための周到な計画や、生体ドナーである家族から安全かつ迅速に臓器を摘出する技術の確保など、多くのスタッフとの連携がこの成功に繋がったのだと実感できました。

今回はオペ成功までが密着されていたので、この患者さんがこれからうまく社会復帰まで順調に経過を辿れるのかまでは分かりませんでしたが、“それが可能な技術の誕生”という点では、極めて重要な医療の進歩であると思います。

日本では、まだまだ脳死移植が盛んではありませんが、こういった術式が可能になることによって、臓器移植で助けられる命がグンと増えるといいなと心から思ったのでした。

それにしても、今回オペに携わっいていた看護師さん達、本当に素晴らしかったな。

こんな大きなオペの直接介助を担当するということは、多分かなりのベテランさんなんでしょうけど。

オペ看を今も続けていたら、私もあんな看護師になれていたのかな~と、妄想に浸ってしまいました。