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開腹手術後におけるドレーン管理の重要性


開腹手術は臓器の摘出や切除を行うので手術部位に死腔ができ、排液の貯留が多くなります。貯留液は周囲の臓器に悪い影響を及ぼすため、腹腔内にドレーンを留置して貯留液を排出させることが必要です。また、排液の状態を把握することは患者の状態をアセスメントする大切な要因になります。

腹腔ドレーンの目的

ドレーンは出血や消化液の漏れ、縫合不全などの情報を得て術後合併症の早期に発見するための情報的ドレーン、体内からの浸出液や血液を排出させることで感染症などを起こさないようにする予防的ドレーン、膿瘍などを排除することで炎症を抑える治療的ドレーンがあります。

術式によって挿入部の位置は基本的に決まっていますが、患者に合わせて変更することもあります。特に多く挿入されているのが、縫合不全や貯留液が溜まりやすい横隔膜下、肝臓と右腎臓の間のモリソン窩、子宮または膀胱と直腸の間のダグラス窩です。

種類

体外に出ているドレーン先端が袋につながっておらず、開放されている状態を開放式ドレーンといいます。排液はガーゼに吸収させるので量が少なく、短期間の目的で留置されます。患者は自由に動くことが可能になりますが、体内と外界が通じているので細菌が侵入する可能性があります。

閉鎖式ドレーンは、先端が貯留袋や吸引器に接続されている状態です。患者の体動制限が生じますが、細菌などの侵入の可能性が低く、長期間留置できます。排液の量が多い時や正確に把握したいとき、粘調度が高い場合に用います。貯留袋は手術部位より高く上げてはいけません。

ドレナージの方法には、陰圧をかけて吸引する能動的ドレナージと外部の力は使わないで自然の圧差などを利用した受動的ドレナージがあります。使用されるドレーンの種類には、内腔が閉鎖しにくく粘調な排液にも対応できるチューブ型や薄くて柔らかいので患者の負担が軽いかわりに圧が加わることですぐに内腔が閉塞するフィルム型など目的に合わせてたくさんあります。

管理

開腹手術後は、排液とともにバイタルサインの変化などと照らし合わせることが大切です。手術直後の排液は血性や淡血性ですが最終的には漿液性になり、徐々に量も減少してきます。しかし急激な色の変化、特に色が赤く、量が増えた場合は術後出血の可能性があるため注意が必要です。排液量は時間を区切って確認しなければなりません。また、基本的には無臭ですが感染症や縫合不全が起こっている場合は悪臭がしてくるのでにおいも重要な観察項目です。

患者の観察を行う際には、ドレーンの固定部から先端までをたどって見ていきます。屈曲や閉塞の有無、抜出や接続部分が外れていないか、痛みや不快感、固定部の皮膚状態、ストレスがないかなど身体的心理的に異常や苦痛がないかを確認します。もし、排液の流れが悪いときはミルキングや体位変換、貯留袋の位置を変えることが必要となります。

異常の早期発見とともに感染症や合併症の予防のため、適切な管理を行いドレーンを有効に機能させることが大切です。