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静脈血採血 注意点≪方法や根拠≫


新人の頃、働き始めてから経験する看護技術の中で、
多くの方が苦手意識を持ってしまう処置の一つと言えば、
静脈血採血ではないでしょうか。

看護師資格を持っていない学生時代には、
実際に人に針を刺した経験がないまま就職し、
病院で初めて経験するという事も少なくないのではないかと思います。

病院で勤め始めると、毎日当たり前のように繰り返す静脈血採血ですが、
これは疾病の診断や治療、またはその予防策を検討するための検体検査を行う上で必要な、
検体=静脈血を採取することを目的として行われます。

勤める部署にもよりますが、
採血を行う対象は若くて弾力性の高い血管を持っている患者ばかりでなく、
小児や血管が脆弱な高齢者であることも多くなり、
経験が浅いうちは血管が異常に細い患者や高齢者に対する採血が苦手という
新人看護師も多いのではないかと思います。

採血に使われる血管は、おもに尺側皮静脈、肘正中皮静脈、
橈側皮静脈が用いられ、穿刺部位としては肘関節や前腕、
手背などが選択されることが多いです。

その際、左右の血管走行が同じような状態の場合は、
神経損傷の可能性を考慮して利き腕を避けるといったことにも配慮しながら
穿刺部位を決定していきます。

禁忌部位・簡単な手順

静脈血採血の簡単な手順としては、

①患者の両腕を視診、触診して採血部位を決める。
②駆血帯を巻き、患者に母指を中にして手を握ってもらう。
③手袋を装着し、再度採血部位の血管の走行、弾力性、可動性、拍動の有無を確認する。
④穿刺部位をアルコール消毒し、針先を上に向けて、皮膚を進展させながら針を20°の角度で穿刺する。
⑤注射器の場合は逆血を確認し、患者にしびれや痛みがないか確認したのちに内筒を引く。
真空採血管の場合は採血管を差し込む。
⑥採血管の場合は、採血管への血液の流入が停止したことを確認したら採血管を引き抜き、
最後に駆血帯を外し、抜針するという流れになります。

この際、採血管を抜く前に駆血帯を外すと、
採血管の中の血液が逆流するため注意します。

採血には、注射器や真空採血管を使った方法や、
翼状針を用いて採血を行う方法などいくつかの手法があります。

また、採血の際に穿刺部位を選択する上で禁忌となる点もあります。
それは、点滴薬剤を投与している側、シャント造設側、
人工血管造設側、麻痺側、乳房切除側があげられ、それらは検査値の変化や血管内の閉塞、
リンパ浮腫、感染などを起こす可能性があるため使用しないということになっています。

それぞれの手法や禁忌事項にはすべてにその根拠が存在しているので、
なぜそれをしてはいけないのか、根拠とともに理解しておくことが
早く身に付く重要なポイントとなるのではないかと思います。

静脈採血を実施する際の注意点としては、
痛みや不快体験によって感じる精神的ストレスをきっかけに失神発作が起きる、
血管迷走神経反射が採血によっても起こる場合があるので、
患者の様子や体調の変化に留意するということがあげられます。

さらに、検査データに影響が出るため駆血は1分以内とし、
1分以上経過した場合には一度駆血を外して、
2分程間を空けて再度駆血するということにも注意が必要です。

そして、複数の検査データが必要な場合には、
必ず決められた順番で採血を行うということも重要な注意点となっています。

始めのうちは、生身の人間に針を刺すことや、
“失敗したらどうしよう”という不安から苦手意識が強くなりがちな静脈血採血ですが、
回数を重ねてコツを掴むことで苦手意識も徐々になくなっていくと思うので、
注意点をしっかり頭に入れた上で、たくさん経験を積んでいって頂ければと思います。