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高齢者がどんどん増えている!老人介護の問題と家族


~介護のお仕事をしている友人からの寄稿です。~

周りに高齢者はどのくらいいらっしゃいますか?
「生まれてから一度も高齢者を見たことがない」という方はいませんよね。
都会にいても田舎にいても、どこに行っても高齢者はいます。

今、10代であっても50代であっても、私たちは生きている限り、必ず老いていきます。
そして「高齢者」という世代に突入するのです。
ここでは主に日本の高齢者の現状について、お話したいと思います。

日本は高齢化社会?

よく「高齢化社会」という言葉を耳にしますが、はたして本当に日本は高齢化社会なのでしょうか。

高齢者の割合を知る方法として、高齢化率(=全人口に対して65歳以上の人がどれくらいいるのか)があります。
高齢化率は以下の3つに分類することができます。

高齢社会     ⇒   高齢化率  7~14%  (7~14人に1人が高齢者)
高齢化社会    ⇒    〃   14~21%   (4~7人に1人が  〃  )
超高齢化社会  ⇒    〃   21%~     (4人に1人が    〃  )

内閣府が発表している平成26度版高齢社会白書によりますと、65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,190万人へと増加、高齢化率も前年24.1%であったのが、25.1%へ上昇するなど過去最高となっています。

高齢化率が25.1%ということは、日本には4人に1人高齢者がいるということになり、上記の分類でいうと「超高齢化社会」にあてはまります。つまり、もうすでに日本は「高齢化社会」ではないのです。
今まで漠然としたイメージだったかもしれませんが、4人に1人という数字で見るととても多く感じますね。

ちなみにこの25.1%という数字は、世界の中で最も高い割合であり、他のどの国も前例がない事態になっています。
つまり、日本はこれからも世界初の事態を経験し続けていくことになるのです。

なぜ高齢化が進んでいるのか?
高齢化が進むわけには以下の2点があります。

  1. 平均寿命が年々延びてきており、65歳以上の人口が増えている。
  2. 少子化が進むことにより、若年層の人口が減ってきている。

今は食べ物は豊富にあり、医療も進歩しています。
昔に比べると、ずいぶん平均寿命も延びました。
長生きするということは高齢者の数が減らないということでもあります。
加えて少子化ということもあり、これによってますます高齢化は進んでいくのです。

増える核家族化、孤立する高齢者たち

内閣府が発表しているデータを見ると、65歳以上の高齢者と子世帯の同居率は、35年前(1980年)は約7割が同居であったのに対し、15年前(2000年)には5割へ減少、3年前(2012年)には約4割と徐々に減少傾向にあります。

昔は親、祖父母、さらには曾祖父母まで同じ屋根の下で暮らしていたという人が多くいました。
しかし、今は仕事上の都合や生活スタイルの変化から、子は親元から離れて暮らすことが多くなり、結果として高齢者との同居するケースは減少しています。

「どこでどのように人生の最期を迎えたいですか」
以前、私が終末期看護についての研修を受けた際、冒頭でこんな質問がありました。

「あなたはどこでどのように最期を迎えたいですか。具体的にイメージしたのを書き出してください。」
突然、最期をどのようにと言われても…と一瞬戸惑いましたが、私はあれこれイメージしたことを紙に書きました。

『自分のベッドの上で、家族に囲まれて。夜は暗いから明るい昼間がいいな。好きな音楽がゆったりとかかっていて。それから…』。
気がつけば、紙には何個もイメージしたことが書いてありました。

そして時間になり、講師はこう言ったのです。
「皆さんの中で、施設や病院で最期を迎えたいって書いた方はいますか?点滴につながれてる方がいいっていう方いますか?いませんよね?皆さんがイメージしていることは患者様も同じ想いなんです。自宅で自然な形で最期を迎えたいって思っているんです。」

自宅で最期を迎えたいという人が多い

この質問、私にはとても衝撃的で強く印象に残っています。
そして、この研修をきっかけに、在宅看護ってなんだろうと思うようになりました。

できれば最期は自宅で迎えたい、そう思っているのは高齢者も同じです。
内閣府のデータによると、「日常生活上の介護が必要になった時、どこで介護を受けたいか」という質問に対して、「自宅」と答えた人は約4割でした。

また、「治らない病気になった時、どこで最期を迎えたいか」という質問に関しては、「自宅」と答えた人は約半数でした。
中には施設や病院で、という方もいらっしゃいますが、できることなら住み慣れた自宅で最期を迎えたい、
そう思っているのは高齢者も同じです。

在宅介護で重くのしかかる家族への負担

先にも述べましたが、高齢者で夫婦のみ、あるいは一人暮らしをされている方は大勢います。
だんだん年齢を重ねていくと、若い時のように身体が思うようにならないことは多々あります。

高齢者はそういった基礎体力や運動能力の低下に加え、持病などで介護が必要になることが徐々に増えてきます。
しかし、「最期は自宅で迎えたくても、介護してくれる人がいない」、「介護している自分も年老いてきているので、心身ともに負担が大きい(老老介護)」などといった声が多いのが現状です。

子世代は仕事や子育てのため、どうしても自分の生活が中心になってしまいます。
特に男性は仕事を辞めて介護を行うというケースは少なく、女性が転職や離職をせざるを得なくなり、家族の介護を行うケースが大多数です。また、子世代の非同居が増えているため、介護のために通ったり、自分の家族と離れて暮らし、終日介護を行っている方も多くいます。

施設入所希望者が大勢いる

自宅で介護するのが難しいとなると、施設への入所を考えなくてはなりません。
しかし、各地で入所希望の方が大勢いるため、部屋の空きができるまで自宅待機となっているのが現状です。
 
在宅介護ができない要介護者の家族は、一日でも早く入所できるように介護施設に申し込みをすることが必要です。
一般的なのは、担当のケアマネージャーと相談しながら、希望の施設を何箇所かピックアップし、その全てに一旦申し込みをします。
そして、先に受け入れ可能の施設が現れたら、他に申請していた施設にキャンセルを入れるのです。

どうしてもその施設に入りたいというのであれば別ですが、人気の施設は待機者100人というところもありますので、一箇所だけの申請だと入所まで何年もかかってしまいます。

病院から退院しても帰る場所がない

私が以前、看護師として病院で働いていた時のことです。
入院して治療が終わり、いざ退院となった時に「一人暮らしだから帰っても不安なのでいさせてほしい」、「冬は自宅が寒いのでこのまま病院にいさせてほしい」、「施設入所待ちだし、今自宅に帰ってこられても困るので、病院にいさせてほしい」と患者様本人やご家族から言われることが本当に多くありました。

私たち医療者は、患者様やご家族が嫌で退院というのではありません。
必要な治療が終われば退院していただき、ベッドをあけておかないと、次に治療が必要な方が入院できなくなってしまうのです。
時には生命に関わる大きな病気で受診される方もいます。
ベッドに空きがなければ、そのような緊急を要する方が入院できなくなるのです。
上記のように「病院にいさせてほしい」と懇願されると、毎回胸が引き裂かれるような気持ちになるのです。

身体が動かなくなってからでは遅い

「今は元気だから、介護のことは身体が辛くなったら考える」と思っている方がいれば、これは間違った考えです。
突然、介護が必要な状態になった時、介護認定を受けていなければ行政の介護サービスを受けることができません。

そのため在宅サービスはもちろん、施設への入所申請もできないことになります。
このことについて知らない方は実は多くいます。
介護保険は申請したその日からサービスを使うことが可能ですが、介護保険を申請し、その後施設入所申請をしても遅い場合がほとんどです。
 
日頃から家族で介護について話し合うことはとても大切なことです。
また身体の機能が低下してきて生活に不安を感じた時は、迷わず行政(健康福祉課や在宅介護支援センターなど)に相談しましょう。

将来について考える

ここまで高齢者介護についてお話しました。
予想では、2060年には日本の高齢化率は39.9%へと上昇し、国民の約2.5人に1人が65歳以上となるといわれています。
 
先述したように、私たちは生きている限り、必ず老いていきます。
加齢とともに身体機能が低下するのは避けられませんが、元気なうちに将来の介護について考えてみませんか。