口腔内には常在菌が存在していますが、食物に含まれる成分によって細菌が増殖し、虫歯を作ったり、口腔内の衛生環境を崩してしまいます。
そのために必要なのが口腔のケアです。
また、反対に食物などを摂取しなければ口腔内が乾燥することで唾液の分泌が低下し、自浄作用も低下してしまいます。
さらに嚥下障害を引き起こしてしまう可能性があります。
そのために口腔ケアは機能訓練の一つとして行われる事もあります。
健常者のほとんどの人が日常的に行っている方法が歯ブラシによるブラッシングです。
しかし、高齢者や口腔内のトラブルが生じている場合には歯ブラシによって粘膜を傷つけたりする可能性もあるため、以下の物を使ったさまざまな方法で行われています。
などがあります。
口腔ケアスポンジは、水で湿らせて口腔内を洗浄することで汚れを取り除きます。
スポンジの硬さや形など、さまざまな種類があるので好みに合わせた物を選ぶ事ができます。
口腔ケアウエッティーはノンアルコールで保湿効果もあるため清拭に適しています。
誤嚥の危険性がある人に適しています。
スポンジもウエッティーも衛生面を考慮して使い捨てとなります。
歯磨きジェルは研磨剤を含んでいても極少量であるため口腔粘膜に優しく低刺激性になっているため、口腔粘膜にトラブルがあっても使いやすい物です。
また、高齢者には食事摂取量低下によって舌苔が生じやすいので舌ブラシの併用も効果的です。
看護を行うのに必要なのは看護過程であり、その中で問題点を抽出するためにアセスメントを行います。
アセスメントを行うには観察を行い、情報収集をしなければなりません。
高齢者の場合には認知症を発症していると正しい情報を得る事が難しいため、家族からの情報も必要となります。
口腔ケアを実践にするには、清拭が良いのか、ブラッシングがいいのかなど、患者に適した口腔ケアを施行する必要があります。
また、誤嚥を防ぐために臥床患者や片麻痺のある患者に対しては体位を考慮しなければなりません。
口腔ケアを施行する事によって爽快感を得、食事を美味しく摂取する事が可能になるだけではなく、コミュニケーションを円滑にします。
これらはQOLと大きく関係していますが、なかなか取り組みがなされていないのが現状であるため、研修や調査、情報交換を目的として活動しているのが日本口腔ケア学会です。
口腔ケアでは認定制度があり、知識と技術の修得が可能です。
5級から1級までがあり段階的に認定を受ける事ができるようになっています。
しかし、受験資格要件として日本口腔ケア学会の会員であること、5級以外は医療資格がないと受験できないため注意が必要となります。
今後、高齢者の増加に伴い口腔ケアの必要性は在宅でも高まっていきます。
今一度口腔ケアに対する知識と技術に関しては確認しておく必要があるでしょう。